倉庫・畜鶏舎・一般家庭での使用方法について、ご紹介いたします
倉庫内での利用
倉庫内での殺そ剤の使用方法及び配置
ネズミは極度の近視のため、移動の際には必ず壁に沿って動きます。
したがって、薬剤を配置する場合には壁際またはパレットに沿って配置するのが効果的です。
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出入り口周辺
粉末ラテミンを出入り口周辺に散布し、ペタンラット(粘着シート)を配置し、ネズミの侵入を防ぎます。
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倉庫隅
ネズミは、荷ずり木やはりにも登ることがありますので、それらの部分にも粉末ラテミンを散布します。
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パレット周辺
パレットと壁の間は、ネズミの通路となり易いのでそれぞれの場所に適した薬剤を使用してください。
ネズミの種類による倉庫内重点防除区域の違い
倉庫内生息のネズミは3種類(クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ)です。
これらは互いに住み分け、生活圏を持っていますので下図のように種類に合わせた薬剤配置が効果的です。
・・・ 薬剤配置部分
- 粉末ラテミンを出入り口周辺に散布し、ペタンラット(粘着シート)を配置し、ネズミの侵入を防ぎます。
- ネズミは、荷ずり木やはりにも登ることがありますので、それらの部分にも粉末ラテミンを散布します。
- パレットと壁の間は、ネズミの通路となり易いのでそれぞれの場所に適した薬剤を使用してください。
倉庫内防除の主要な留意点
- ●年間の防除計画をたてる
- ネズミの出産が少なくとも年4回と考えると、年4回の防除が必要になります。
- ●見取り図をつくる
- 被害状況の明確化(被害場所・糞尿・痕跡等のチェック)
- ●ネズミの種類を特定する
- 倉庫内生息の考えられるネズミ3種類のどれによる被害かの見極め。
- ●巣材や餌の清掃と侵入経路の遮断
- 生息しづらい環境づくりと侵入させない対策。
- ●後始末・注意
- 死んだネズミは発見しだい直ちに処理してください。薬剤なども日ごとに劣化していくので、定期的に交換してください。
*地域によりネズミの生息数の推移が異なるため、防除適期も多少異なります。
◎防除:新しい殺そ剤・粘着剤に替えて、配置場所も検討します。
○点検:死んだネズミの回収および殺そ剤・粘着剤を補充交換します。(死んだネズミの回収は随時行う必要があります。)
殺そ剤が倉庫内の穀物に触れないように十分注意してください。(破れた米袋の米などは決して元に戻さないでください。)
畜鶏舎での利用
ドブネズミ、クマネズミが対象の場合には人家、物置、工場等の建物、農地を含め最低でも周辺30m以内の地域を同時に一斉防除する必要があります。当然すべての畜鶏舎は一斉に防除を行います。
一ヶ所でもネズミの生息場所が残るといわゆる「ねずみ算」的繁殖力と移動、侵入により直ぐに元の状態に戻ってしまいます。
ドブネズミはコンクリートなどの畜鶏舎基礎の下に生息していることが多く、この場合には畜鶏舎で使用している餌等でクマラットSを10倍に薄め、1箇所30~50gずつシャベルなどでそ穴に投入します。雨が掛かるような場合は板などで覆いを作ります。
畜鶏舎内のクマネズミにはドブネズミ同様に飼料で調整したクマラットSやエンドキラー(動物用医薬部外品)を回収や食いの状況確認がし易いように小皿に規定量を入れ、ネズミの通り道(ラットサインのある場所)に配置します。4、5日そのまま放置し、餌が減っている場所には薬剤を追加し、餌が減らなくなるまで継続します。
毒餌は濃すぎるとネズミが警戒して食べないので指定通りの濃度に薄めて使用してください。
クマネズミは鉄骨や配管パイプ等を垂直に登ることができるので、天井近くの配線や空調の取り込み口の隙間なども侵入口となります。営巣場所としては畜鶏舎内と共に飼料置き場や資材置き場の隅、事務所の天井裏、植え込み等の根元、施設土台下等が考えられます。ハツカネズミの場合は行動範囲が狭いので薬剤やトラップの設置間隔を密にする必要があります。
薬剤の配置が難しい場合にはラットサインのある場所に粘着トラップを配置します。
ネズミの妊娠期間は約21日、出産後約20日程で子ネズミは離乳します。したがって20日毎、少なくとも一ヶ月毎にネズミが営巣しそうな場所 を掃除すればネズミはその場所で子供を育てることができなくなります。資材置き場や飼料置き場の隅、畜鶏舎内の死角などを最低でも月一回清掃するなど整理整頓が経費のかからない最も効果的なネズミ対策です。
防ソ構造という言葉もありますが、既存の畜産施設で完璧な防ソ構造を期待するのは困難です。しかしできるだけネズミが侵入しそうな隙間を埋め、ネズミの営巣場所や隠れ場所となるような死角を作らないよう整理整頓することが必要です。
一般家庭での利用
一般家庭で屋内のネズミを駆除する場合は、防除用医薬部外品の殺そ剤を使用します。成分が同じでも農薬殺そ剤を屋内で使用することはできないので注意してください。
なお、花壇や家庭菜園、植木などをネズミから守るためには農薬殺そ剤を使用することになります(農薬取締法)。
家庭のネズミ対策には先ずネズミの食べ物を整理し、落ち着いて生息できないように整理整頓を徹底することが重要です。